2014/04/18

『ベルとブゥ すてきなたんじょうび』



シリーズを通して繰り返される冒頭の言葉が大好きで、
何度も繰り返し読んでしまう。

 ベルと うさちゃんの ブゥは いつも いっしょ。
 はれたひも あめのひも。

 ゆめのように たのしい まいにち。

娘は歌うようにこのフレーズを繰り返す。
「ママとゆいちゃんはいつもいっしょ。夢のように楽しい毎日!」
とか言われると、
なんかもうこれ以上の幸せはこの世にないんじゃないかとさえ思う。

この絵本はとにかく愛らしい。
背表紙が布張りで金の文字なのも乙女心というものをくすぐってくる。
イラストがものすごくかわいくて、
フランスだなぁ~、色合いもインテリアも愛しくなるくらい魅力的だなぁと
感心しちゃうんだけど、それだけじゃない。
すてきな言葉や、幸せな気持ちをくれる絵本。

クリスマスの物語も、早く翻訳版でないかな。
原書もいいのだけど、
冒頭の日本語訳を気に入っているので、
翻訳版を気長に待ちたいな。



【おすすめ絵本】寝ないとき、歯磨きしないとき

せなけいこさんの名作『ねないこだれだ』が最近お気に入りの娘は、「ねないこは、だれだ〜?オバケのせかいへ連れてくぞ〜」と脅かすと、きゃーきゃー笑いながら布団にもぐり、そのまんま寝ちゃったりする可愛い一面がある。

本日、歯磨きを嫌がったので、「歯磨きしないこは、だれだ〜?」と同じテンションで言ってみたところ、「ゆいちゃん、歯磨き、するから〜!オバケ、つれてかないで〜!」とおっしゃり、これまた笑いながら歯磨き終了。大騒ぎしてイヤがったのが嘘みたい。

それにしても、応用編もいけるとは、ねないこだれだのポテンシャル、すごすぎる!

『窓ぎわのトットちゃん』


ひょんなキッカケで、トットちゃんを読み返した。およそ20年ぶりの再会。引き込まれるように、泣いたり、笑ったりしながら、夢中になって読んだ。

天真爛漫で、お転婆で、優しいトットちゃん。トットちゃんと向き合って、トットちゃんの気持ちをちゃんと考えてあげられるお母さん。いわさきちひろさんの、心にぴったりと寄り添ってくれる挿し絵。そのどれもが魅力的なのだけど、どストライクだったのは小林先生。この方、凄すぎる。もう、惚れてしまうかと思った(「おさげ」の回とか)。これまでの人生で出会った先生のなかで、一番好きかも。


以下、この名作を読んで母(てか大人)として学んだことメモ。

・子供の話をちゃんと聴く(小林先生は四時間ものあいだ、楽しそうにトットちゃんの話を聴いてくれた。そのことを、当時小学1年生だったトットちゃんは、ずっと忘れなかった)。

・子供の、できないことや苦手なことにばかり注目してヤキモキするんじゃなくて、好きなことや、やりたいことや、得意なことを育める親になる(トットちゃんのママみたいに)。

・海のものと山のものが入ったお弁当を作る!(栄養がどうのこうのと考えるとげっそりするけど、海のものと山のものを入れようって考えると楽しい!いざという時は海苔と梅干しでもオッケーという大らかさでいきたい。)

・いろんな経験を一緒にたくさんしたい!山とか川とか海とかミュージカルとか。寝っころがって星みたり、キャンプしたりしたい。

・大人の言葉は、こちらが驚くくらい、こどもの心に深く残ることがある。「本心で言ったんじゃなくても」、子供の心を抉るような言葉は決して言わない。反対に、嬉しくなったり元気になれちゃう言葉はたくさん言おう!

・週末は、どうしたら子供がワクワク過ごせるかを考えて、一緒に遊びまくる!(この点に関しまして、私より旦那さんのほうが得意なので一緒に作戦会議する)

・外遊びする日は、思いっきり汚れてもいい服を子供に着せるし、自分も着る(トモエ学園みたいに、「一番わるい服を着せて登校させて下さい」って言ってくれる学校、どっかにないかな)。


と、実践しようって思ったことがいっぱい。いままで何冊も育児書や教育メソッド的な本を読んだけど、なんか、この本一冊で満ち足りるかもと思った(もちろん、いい本はたくさんある。「子どもへのまなざし」とか好き。ただ、物語があって楽しく読めるという点も含めて、この本は素晴らしすぎる)。そして、昔好きだった本を大人になってから読み返すって、とても胸踊ることだなぁ、と改めて思った。

以下、大好きなシーンの引用。ほんとうに、宝物がたくさん詰まった本だった。


  子供たちは、パジャマ姿で、朝日の中にいた。そして、この現場に居合わせたことを、心から幸福に思った。そして、あんまり、うれしいので、次々に、校長先生の肩や腕に、ぶらさがったりとびついたりした。

  校長先生は、よろけながら、うれしそうに笑った。校長先生の笑う顔を見ると、子供たちも、また、うれしくなって笑った。誰もかれもが笑った。

  そして、このとき笑ったことを、みんなは、いつまでも、忘れなかった。

(窓ぎわのトットちゃん「電車がくる」)

2014/04/11

『よるくま』



作・絵:酒井駒子
出版社:偕成社


「だいてみたら かわいかった。そのこは よるくまと いうなまえ。」


玄関のマットの上に坐りこんで、よるくまをぎゅ~っと抱きしめる男の子。

その様子がとってもかわいくて、このお話に一気に感情移入してしまう。

それは娘も同じようで、男の子と一緒によるくまのお母さんを探してあげる。

「ママは、おさかな かいにいったんだよ~!!」と、

男の子たちにいっしょうけんめい教えてあげたりして(本当はお魚釣ってるんだけど・・・笑)。


よるくまがお母さんに会えたときは一安心。

わたしも昼間は子どもと離れて働いているので、

この本を読んでいると、どうしても泣けてきてしまう。

おうちのお風呂場のカーテンをバッて開ける後ろ姿も、

よるくまが「おかあさんは?おかあさんは?」って泣いちゃうところも、

ママに泣きながら抱きつくところも、

よるくまをおんぶしながらお母さんくまがお話しするところも、堪らない。

声に出して読んでいると、わたしに同調しちゃうのか、娘も涙ぐんできてしまうので、

よるくまがお母さんと会えたときは、二人で思いっきり「良かったね!!!」と言い合う。


最後のおやすみシーンの男の子の寝顔は、まるで、うちの子の寝顔みたい。

この子の寝顔を見たママパパは、みんなそう思うんじゃないかな。

とても、ぐっすりと、可愛い顔をして寝ているので、

そのまま私たちもおやすみモードに入ったりする。



「ママ、よるくまは、かわいいね」

男の子のマネをしてなのか、本当にそう思ったのかはわからないけど、

絵本を読み終わって娘がそうつぶやくので、

「そうだね。かわいいね。ゆいちゃんもね、と~~ってもかわいいよ!」

と言いながら、その小さなからだをぎゅ~っと抱きしめた。

2014/04/04

『ねないこだれだ』



小さい頃、オバケはカタチのない怖いもので、障子の隙間や部屋の隅(特に天井の角)にいるんじゃないかと想像しだすと止まらなくって、無理矢理お姉ちゃんの布団に潜り込んだりした。

そんなオバケへの怖い気持ちを、この絵本を読むと思い出して、少しくすぐったい気持ちになる。

うちの娘は怖い怖いと言いながら、この絵本がお気に入りで、毎夜寝る前に必ず読む。昨日は、怖い声で読んでくれたりして。いつまで経っても寝ないときも、「ねないこはだれだ?オバケが来たぞー」と言うと、キャーッと喜びながら布団に潜り、オバケに見つからないように(笑いながら)静かにしているうちに、いつの間にか就寝すること数度、、、。可愛いなぁ、と思わずアタマをなでなでしてしまう。

せなけいこさんの描く黄色い目のオバケは、たしかに怖いのだけど、どこかしらチャーミング。カタチのないオバケを想像して怯えてしまうより、このオバケと仲良くなっちゃうほうがいいのかもなぁ、と大人になった私は思ったのでした。

もし『ねないこだれだ』を本当に怖がっちゃう子がいたら、あわせて同作者さんの『オバケなんてないさ』を読めば、オバケと仲良くなれるはず。