2014/07/19

工藤直子さんの詩

こどものころにみた空は
                   工藤直子

ひとはみな
みえないポケットに
こどものころに みた 空の ひとひらを
ハンカチのように おりたたんで
入れているんじゃなかろうか

そして
あおむいて あくびして
目が ぱちくりしたときやなんかに
はらりと ハンカチが ひろがり

そこから
あの日の風や ひかりが
こぼれてくるんじゃなかろうか

「こどものじかん」というのは
「人間」のじかんを
はるかに 超えて ひろがっているようにおもう
生まれるまえからあって
死んだあとまで つづいているようにおもう



あいたくて

            工藤直子

 
あいたくて
だれかに あいたくて
なにかに あいたくて
生まれてきた──
そんな気がするのだけれど

それが だれなのか なになのか
あえるのは いつなのか──
おつかいの とちゅうで
迷ってしまった子どもみたい
とほうに くれている


それでも 手のなかに
みえないことづけを
にぎりしめているような気がするから
それを手わたさなくちゃ
だから

あいたくて



ねがいごと 

          たんぽぽはるか

あいたくて

あいたくて
あいたくて
あいたくて

 ・・・

きょうも
わたげを
とばします



おれはかまきり 

          かまきりりゅうじ

おう なつだぜ

おれは げんきだぜ
あまり ちかよるな
おれの こころも かまも
どきどきするほど
ひかってるぜ

おう あついぜ

おれは がんばるぜ
もえる ひをあびて
かまを ふりかざす すがた
わくわくするほど

きまってるぜ

2014/07/18

シェイクスピアの言葉

「雪が溶けるとき、白さは何処へ行くのだろう」

消えてなくなってしまっても、確かにあったんだよね、雪の眩しい白さって。ぜんぶなくなっても、残るものはある。

2014/07/09

『子どもへのまなざし』

ひさしぶりに『こどもへのまなざし』(育休中に母親がくれた本)を読み返して、おおおお~って思ったとこ、メモ。娘がなにを喜ぶのか、なにが嬉しいのか、もっと敏感でいたいなぁと思った。週末の過ごし方も、すこし見つめ直そう。

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保母さんから聞いたお話なのですが、休日のつぎの日に、「お休みのときなにをしていたの」と、子どもたちに話してもらうことがよくあるそうです。

すると、子どもたちは「ディズニーランドにいった」、「シーパラダイスにいった」、「デパートに買い物にいって、いいものを買ってもらった」などと口ぐちにいいます。

そのなかで、とても印象的だったのは、「きのうね、お母さんがつめを切ってくれたの」という子どもの話でした。お母さんのひざの上にだっこされながら、お母さんの肌のあたたかさを感じながら、つめを切ってもらった記憶が、とてもいいイメージで、その子どもの心に残ったのでしょうね。そういう言い方だったと保母さんはいっていました。

どこか遠くへ連れていかなくても、なにか特別なことをしなくても、子どもの心にとどく、親子のふれあいはできるのですね。子どもといっしょにいる時間を、たいせつにする気持ちがあれば、子どもにきっと伝わるのです。(p298)
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2014/07/07

中古購入した絵本に添えられた手紙

ブライアン・ワイルドスミスさんの『どうぶつ』という絵本を、Amazonで中古購入したら、素敵な手紙が添えられていた。

「この本は私が小さい頃、母に読み聞かせてもらったものです。私自身、絵本の整理をしていると当時を思い出し、懐かしく温かい気持ちになりました。そんな思い出の本をまた新たに読んでもらえることを、喜ばしく思います。」

個人ではなく、ネット書店さんから購入したので、綺麗な便箋に入った手書きの手紙に驚いた(店長さんなのかな?)。すごくジ〜ンとした。私もこの先、絵本棚の本たちを手放すことがあれば、こうやって、愛情込めて送り出してあげたいなぁと思った。あと、中古で買いたいなぁと思った絵本は、まずこの書店さんで探す。小さなネット書店でもリピーターというか、ファンってつくれるんだなぁと、勉強になった!