2013/06/10

『きょうの絵本 あしたの絵本 2001から2012の新刊案内』 広松由希子


なんだか絵本への愛が溢れている本だなと思い、手に取って読んでみた。

筆者はボローニャ国際絵本原画展などの国内外の絵本コンペの審査員を務める専門家。

とはいえ、語り口は普通のお母さんという感じで、

自らの子育ての中での絵本読み聞かせの経験なども混ぜつつ、

愛のある書評を書いている。

なにせ毎年出版される新刊絵本1000~1500冊のうちの(×10年だから15000冊!)、

作者が惚れに惚れたたったの262冊を紹介しているわけなので、

愛も溢れているはずです。


さて、この本を読んでみて、まだ出逢っていない素晴らしい絵本がたっくさんあるのだという事実に、

ものすごくワックワクしました。

子供に読んであげたいというのもあるけど、なにしろ私が読みたい!!

既に持っている絵本に関しての書評も、

「なるほど、こういう感じ方や読み方があるのかぁ」と、

感心してしまいました。


最後のあとがきの言葉もまた素敵だったので、一部引用させて頂きます。


 相手が人間だと、なかなか心を開けない人見知りでも、絵本は人を油断させますね。ページも少ないし、文も短いし、平仮名ばっかり。構えず無防備に読むものだから、不意を突かれ、感情を揺さぶられ、未知の感覚にうろたえることも。いろんな角度から、目に、耳に、口に、指に、脳に、心に、刺激を受けるうちに、自分の「好き」のツボが増えた気がします。

 どんなに好きになっても、ふられる心配がないのも絵本のいいところ。それどころか、好きになればなっただけ、心を開いて愛した分だけ、深く愛し返してくれる気がするんだから、本当に絵本ってありがたい。


 (省略)


 何十年も読み継がれてきた古典絵本には、揺るがぬ魅力がありますね。でも。2001年から2012年、この社会が大きく揺れ動いた新しい時代の絵本にも、得難い魅力があるんです。2011年の大震災を経て、同時代の絵本の意味について、深く考えるようになりました。


 今を生きる大人が、今を生きる子どもたち(読者)に向けて送り出した新刊絵本。ささやかなよろこびも、漠然とした不安も、とりとめのない日常も、同じ空気を吸って生まれてきた絵本。どうぞ手にとって、新しい表現を味わってみてください。自分でも思いがけない「好き」のツボに気づくかもしれません。


 絵本は、どんな時代にあっても、希望のかたちだと思っています。この新世紀の絵本たちも、読者の心にじっくり根を下ろし、ゆっくりロングセラーになったらいいなと願っています。



同時代の絵本の意味、なぜか今まで考えたことがなかった。。。

大事なことだなと気づかされました。


そんなわけで、これから図書館で借りたり購入したいなと思った新刊絵本をメモ。

『だれがきめるの?』とか、こういうテイストの絵本は、いままで読んだことがないのだけど、

広松さんの書評を読むと、読みたくなってしまう!

 「やんちゃっ子」と名乗る怪しい子たちがスウェーデンから上陸しました。何食わぬ幼児絵本シリーズの顔をして、大人も虜にする、おしゃれでへんてこな魅力にあふれています。

 2冊目の本書は、こぐまさんとママぐまさん親子の本音の対話が現代的。一見クールなやりとりに、血の通う愛情。生活を包む豊かなおかしみに、心潤います。


とか、読みたくなっちゃうな、もう。

メモしだしたらキリがなく、かなり長いリストになってしまいました。

じっくり味わわせていただこうとウキウキです。


☆とにかく私が読みたい絵本☆

『マドレンカ』 作/ピーター・シス
『私、ジョージア』 作・絵/ジャネット・ウィンター
『ふれ、ふれ、あめ!』 作/カレン・ヘス
『やまねのネンネ』 作・絵/どいかや
『いつも だれかが・・・』 作・絵/ユッタ・バウアー
『おばあちゃんの時計』 文/G・マッコーリーン
『ありがとう、フォルカーせんせい』 作/パトリシア・ポラッコ
『3びきのぶたたち』 作/デイヴィット・ウィーズナー
『コッコさんとあめふり』 作・絵/片山健
『悲しい本』 作/マイケル・ローゼン
『なつのいちにち』 作/はた こうしろう
『木』 画/佐藤忠良
『じいじのさくら山』 著/松成真理子
『きはなんにもいわないの』 作/片山健
『ハンダのびっくりプレゼント』 作/アイリーン・ブラウン
『ひまわり』 作/和歌山静子
『うさぎのルーピース―』 作/どいかや
『トマトさん』 作/田中清代
『ヤマネコ毛布』 作・画/山福朱実
『たいようオルガン』 作/荒井良二
『うしお』 作/伊藤秀男
『せんをたどって』 作/ローラ・ユンクヴィスト
『めでたし めでたしからはじまる絵本』 文/デイヴィッド・ラロシェル
『したのどうぶつえん』 作/あきびんご
『かさの女王さま』 文/シリン・イム・ブリッジズ
『ぼくは ぞうだ』 作/五味太郎
『みさき』 作/内田鱗太郎
『天のおくりもの』 文/グスターボ・マルティン=ガルソ
『大きな大きな船』 作・絵/長谷川集平
『百年の家』 作/Jパトリック・ルイス
『くつやのねこ』 文・絵/いまいあやの
『ちいさなおうさま』 作/三浦太郎
『もりのおくのおちゃかいへ』 作/みやこしあきこ
『ひっこしだいさくせん』 作/たしろちさと
『だれがきめるの?』 作/スティーナ・ウィルセン
『悪い本』 作/宮部みゆき
『いるの いないの』 作/京極夏彦
『きこえる?』 作/はいじま のぶひこ
『夜の木』 作/バッジュ・シャーム
『アライバル』 作/ショーン・タン
『みずいろのぞう』 作/nakaban
『かえでの葉っぱ』 作/デイジー・ムラースコヴァー 絵/出久根育
『新世界へ』 作/あべ弘士


☆赤ちゃんといっしょに読みたい絵本☆

『まおちゃんのうまれたひ』 作/神沢利子
『はしるのだいすき』 作/わかやましずこ 0.1.2.えほん
『んぐまーま』 絵/大竹伸朗 文/谷川俊太郎
『コップちゃん』 文/中川ひろたか
『こちょこちょこちょ』 うちだりんたろう
『あめかな!』 作/U・G・サトー
『かにこちゃん』 作/岸田怜子
『あっ!』 文/中川ひろたか
『ちょうちょう ひらひら』 文/まど・みちお
『まる さんかく ぞう』 作/及川賢治
『ありさん どうぞ』 作/中村牧江
『のりもの つみき』 作/よねづゆうすけ
『もじゃらんこ』 文/きしだえりこ 0.1.2.えほん
『おおきい ちいさい』 作/元永定正
『パンツのはきかた』 作/岸田今日子


おっと、私が読みたい絵本の方が多くなってしまった!笑

まあ、大きくなったら娘ちゃんも一緒に読もうね、ということで♪


うーーん、どれも欲しいけど、まずは図書館で借りて、

それから手元に迎え入れる本をじっくりと選びましょう。そうしましょう。 

2 件のコメント:

  1. うれしい感想をありがとうございます!
    絵本との暮らし、楽しんでくださいますように。

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    1. もしかして、広松さん(あるいは出版社の方)でしょうか?
      このようなつぶやきに目をとめて頂き、ありがとうございました!

      お陰さまで、絵本を選ぶときの視野が広がり、素敵な出会いがたくさんありました。好きのツボも増えました。本当にありがとうございました。

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