2014/04/18

『窓ぎわのトットちゃん』


ひょんなキッカケで、トットちゃんを読み返した。およそ20年ぶりの再会。引き込まれるように、泣いたり、笑ったりしながら、夢中になって読んだ。

天真爛漫で、お転婆で、優しいトットちゃん。トットちゃんと向き合って、トットちゃんの気持ちをちゃんと考えてあげられるお母さん。いわさきちひろさんの、心にぴったりと寄り添ってくれる挿し絵。そのどれもが魅力的なのだけど、どストライクだったのは小林先生。この方、凄すぎる。もう、惚れてしまうかと思った(「おさげ」の回とか)。これまでの人生で出会った先生のなかで、一番好きかも。


以下、この名作を読んで母(てか大人)として学んだことメモ。

・子供の話をちゃんと聴く(小林先生は四時間ものあいだ、楽しそうにトットちゃんの話を聴いてくれた。そのことを、当時小学1年生だったトットちゃんは、ずっと忘れなかった)。

・子供の、できないことや苦手なことにばかり注目してヤキモキするんじゃなくて、好きなことや、やりたいことや、得意なことを育める親になる(トットちゃんのママみたいに)。

・海のものと山のものが入ったお弁当を作る!(栄養がどうのこうのと考えるとげっそりするけど、海のものと山のものを入れようって考えると楽しい!いざという時は海苔と梅干しでもオッケーという大らかさでいきたい。)

・いろんな経験を一緒にたくさんしたい!山とか川とか海とかミュージカルとか。寝っころがって星みたり、キャンプしたりしたい。

・大人の言葉は、こちらが驚くくらい、こどもの心に深く残ることがある。「本心で言ったんじゃなくても」、子供の心を抉るような言葉は決して言わない。反対に、嬉しくなったり元気になれちゃう言葉はたくさん言おう!

・週末は、どうしたら子供がワクワク過ごせるかを考えて、一緒に遊びまくる!(この点に関しまして、私より旦那さんのほうが得意なので一緒に作戦会議する)

・外遊びする日は、思いっきり汚れてもいい服を子供に着せるし、自分も着る(トモエ学園みたいに、「一番わるい服を着せて登校させて下さい」って言ってくれる学校、どっかにないかな)。


と、実践しようって思ったことがいっぱい。いままで何冊も育児書や教育メソッド的な本を読んだけど、なんか、この本一冊で満ち足りるかもと思った(もちろん、いい本はたくさんある。「子どもへのまなざし」とか好き。ただ、物語があって楽しく読めるという点も含めて、この本は素晴らしすぎる)。そして、昔好きだった本を大人になってから読み返すって、とても胸踊ることだなぁ、と改めて思った。

以下、大好きなシーンの引用。ほんとうに、宝物がたくさん詰まった本だった。


  子供たちは、パジャマ姿で、朝日の中にいた。そして、この現場に居合わせたことを、心から幸福に思った。そして、あんまり、うれしいので、次々に、校長先生の肩や腕に、ぶらさがったりとびついたりした。

  校長先生は、よろけながら、うれしそうに笑った。校長先生の笑う顔を見ると、子供たちも、また、うれしくなって笑った。誰もかれもが笑った。

  そして、このとき笑ったことを、みんなは、いつまでも、忘れなかった。

(窓ぎわのトットちゃん「電車がくる」)

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